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アトラスコプコグループの年刊発行誌
Sustainable technologies
ドライに保つ
10年にわたる開発プロセスが、すべてを変える革新をもたらしました。この画期的なドライヤは、医薬品やその他精密製品の生産環境に最適です。
Cerades™
乾燥剤ドライヤ
主な特長: 優れたエネルギー効率と高い信頼性
用途: 食品および飲料、製薬、半導体製造などの業界
ジョン・ムンク賞
この製品は、アトラスコプコの名誉あるジョン・ムンク賞(2021年)を受賞しました。1988年に設立されたこの賞は、革新的な技術開発に貢献した人物またはチームに毎年授与されます
イノベーターの紹介
ドライヤの性能は乾燥剤の素材に大きく左右されますが、各社が同じコア素材を同じサプライヤーから仕入れて使用するため、より優れた製品を作ることは非常に困難です。
Cerades™乾燥剤の長所は、吸水性素材は従来のものと同等ながら、自動車の触媒に採用されているものと同じセラミックハニカム構造で固定されている点です。この構造は、比較的薄くきわめて効果的な活性乾燥剤層でコーティングされており、この技術を採用したドライヤは市場の他の製品と比べてはるかに優れた性能を発揮します。
今では、(天才的アイデアがしばしばそうであるように)きわめてシンプルな概念のように思われますが、実際には、10年にわたる開発、数回の反復、研究開発とマーケティングの緊密な協力の賜物です。「これはプッシュプルプロセスでした。プルはマーケティング側、プッシュは研究開発側です。10年前は、営業スタッフの誰もがこのようなソリューションが現れるとは思っていなかったと思いますが、彼らは市場に合わせて実際に製品を具体化しました」と、イブは語っています。
「これがアトラスコプコの秘密のレシピです」と、ヌーリは付け加えています。「当社のエンジニアはビジネスセンスを持っており、マーケティング担当者はエンジニアのセンスを持っています。誰も、他社が作っている通常の製品で市場に参入することを望んではいません。成功の秘訣は、私たち一人一人がお互いの仕事を理解することです」
この革新の恩恵は非常に大きく、社内の名誉ある賞であるジョン・ムンク賞(2021年)を受賞しました。
「これは50億ユーロの市場であり、成功に欠かせない差別化を実現しました」とヌーリは語っています。「お客様が必要なのはドライヤではなく、乾燥圧縮空気です。Cerades™は、他社にはできない方法でお客様のニーズに応え、ドライヤ内で機能します」
エレクトロニクス、食品および飲料、製薬業界では、乾燥した生産環境が必須です。
「空気中には常にある程度の水分が存在し、空気を圧縮すると結露のリスクがあります。結露は最終製品の品質に影響を与えたり、後工程で機器が損傷したりする原因となるおそれがあります」と、アトラスコプコトルコ事業部長、ヌーリ・コーセは語っています。「採鉱や建設では、水分はそれほど大きな問題ではありませんが、多くの生産フローでは、製品の近くに水分は禁物です」
この水分は乾燥剤ドライヤで除去できます。この技術の原理は単純です。湿った空気が吸湿性のある素材、「乾燥剤」を通過して、乾燥が行われます。
ヌーリ・コーセは、乾燥技術に革新をもたしているアトラスコプコのCerades™乾燥剤のチームメンバーでした。アトラスコプコの高い技術革新のレベルから見ても、この乾燥剤は真に画期的な製品です。従来のシリカビーズの代わりに、堅牢で耐久性が高く、大幅に乾燥性に優れた吸収ブロックを採用しています。
「10年以上前、何か違うものが必要だと思いました。乾燥剤が優れていれば、より良いドライヤを作れるからです。それが、この革新を実現するための出発点です」と、空気およびガス処理エンジニアリング担当副社長、イブ・ゴイスターは説明します。